石狩川治水促進期成会の長年にわたる御尽力に敬意を表しますとともに、北海道開発行政の推進に御支援、御協力を賜っておりますことに厚く御礼申し上げます。
本年7月に発生した九州北部豪雨では、各地で河川の氾濫や土砂災害等が発生し、多くの人命が失われるなどの甚大な被害が発生しました。また、昨年9月北海道においても前線と台風の影響により各地で大雨となりました。札幌市街地を流れる豊平川では一時避難判断水位を超過しましたが、上流のダムの防災操作により水位を約2m低減させ、周辺の多くの市民が避難する事態を回避したほか、石狩放水路水門の操作により、茨戸川周辺の石狩市、札幌市の浸水被害を軽減させました。また、十勝川水系音更川では堤防の浸食が発生し、昼夜を問わぬ応急復旧作業を実施し、幸いにして甚大な被害には至りませんでした。
このような豪雨災害へ対処するため、北海道の社会、経済の中枢であり、我が国有数の食料供給地である石狩川下流域において、石狩川(下流)河川整備計画に基づき、今年度、北村遊水地の整備に着手しました。北村遊水地は、既存ダムや河川改修の効果と合わせ、石狩川の既往最大洪水で流域に甚大な被害をもたらした昭和56年8月洪水による浸水被害を解消することを目的に、石狩川と旧美唄川に挟まれた低平地(岩見沢市北村地区)に建設します。北村遊水地は、洪水時の石狩川の水位を低下させる効果を発揮し、さらには、石狩川本川の水位の影響を強く受ける千歳川流域の治水対策としても効果が期待されます。石狩川流域の安全度向上に大きく貢献する事業です。
北村遊水地の整備にあたっては、地域の生活環境やまちづくり、営農等と密接に関係することから、地域との調整・連携を図りながら、地域の農業やまちづくりと一体となって進めていくことが重要であると考えております。北村遊水地の整備を進め、石狩川流域の安心・安全の確保に努めていきたいと考えておりますので、引き続き地域の皆様や関係する方々の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。