北村遊水地事業着手を迎えて      
         
 
北村遊水地事業対策協議会会長 石 黒 信 彦
     
 

 

 私が最初に北村遊水地計画を知ったのは、平成9年3月の北海道新聞に「石狩川開建は、北村と月形町の一部に、緊急時に水を引き入れる約2,000haの遊水地建設計画に取組む方針を固めた」との記事が載った時です。
 その後5年、我々が遊水地計画について耳にすることは、なかったのですが、当時の北村と石狩川開発建設部との話し合いは、続いていたのです。
 平成14年3月「北村遊水地計画本格着手、地元の意向反映どこまで」と道新報道があり、これは大変な事になるぞとの思いが過りました。
 更に、5年が経過した平成19年「石狩川(下流)河川整備計画」に、北村遊水地を整備することが記され、石狩川開発建設部による事業説明会において、事業区域が約1,000haとなるなど、より具体的な計画が示され、事業が現実味を帯びて来たことから、平成20年地元地権者による北村遊水地準備委員会を立ち上げ、平成21年8月事業説明会や勉強会の開催、更には地元の意向や要望を事業者等に伝えて行こうと、名前を「北村遊水地事業対策協議会」と改め活動してまいりました。
 平成22年7月の事業説明会において、事業受入れの是非について諮り、「地元として受け入れざるを得ない」との結論に達し、受け入れる以上は、「早期事業着手を望む」との出席者総意のもと、早速翌8月、私と相談役の2人で中央に出向き、国土交通省副大臣他へ「事業早期実現への要望書」を提出してまいりました。
 平成23年8月には、石狩川治水促進期成会と当協議会合同により「北村遊水地事業早期着工」について中央要望を行い、懇談の席上「遊水地事業は、実施されるとするならば何年後なのか、早期に結論を出して欲しい。そうでなければ、地元地権者は遊水地事業に振り回され、特に農家は、将来の営農計画が立てられず困惑している。」と訴えてまいりました。猛暑の中、対応頂いた期成会会長滝川市長様を始め役員並びに関係者各位に、心から感謝を申し上げます。
 その思いが伝わったのか、本年4月事業着手の運びとなりました。これから事業は、着々と進行すると思われますが、皆様方のアドバイスや御理解を頂きながら、北村遊水地事業対策協議会、地権者、事業者それぞれが納得の上で事業が進められること、また、完成後に石狩川流域の市町村が北村遊水地に助けられた、北村遊水地のお蔭でと言われるようになって欲しいと願っております。