森田理事長(以下理事長):旭川駅から北彩都あさひかわの忠別川沿いを歩いてみました。川に面したこれほど大きな駅は日本にないし、世界に誇れるものではないかと思います。16年を要した北彩都あさひかわが完成した今、どのような感想をお持ちですか。

 
       
       
 

西川市長(以下市長):北彩都あさひかわの計画は平成2年に開始していますから、四半世紀にわたる、総事業費1千億円以上の大事業です。この間、お力添えをいただいた皆様には大変感謝しています。おかげさまで、北彩都あさひかわは、今年の都市景観大賞を受賞することができました(河川トピックスを参照)。北彩都あさひかわを、全国そして海外へ発信しながら、民間投資も呼び込み、北・北海道のCenter of Centerとして認知してもらい、市民の誇りとなる魅力的な空間にしていきます。

 
       
     
   
 

理事長:旭川には全国的にも知名度が高い旭山動物園がありますが、観光も含め広域で取り組むことが大事だと思います。そういう意味で、「北の恵み 食べマルシェ」は素晴らしい取り組みです。

 
 

市長今年は9月19日から23日まで開催予定です。去年は天候に恵まれ、3日間で100万人以上の来場がありました。食べマルシェは、平成22年、旭川市開村120年記念事業として始めましたが、好評を受け毎年開催しています。「北・北海道の基幹産業である農業と、関連した食品産業が元気なことが、地域活性化につながる」という思いを込めて立ち上げ、今や北海道を代表する秋の食のイベントに定着したと思います。出店者の売上増も重要で、ここから販路を拡大したお店もあるなど、経済的にも大きな役割を担っています。道内で言いますと、北は稚内市から南は富良野市、西は留萌市から東は紋別市の約300店が出店します。北・北海道一円のまちが平和通買物公園など旭川市の中心部に集結してアピールし合うことは、北・北海道の拠点都市の機能活用という大きな意味を持ちます。

理事長:食べマルシェの一番良いところは、旭川市が北・北海道全体のリーダーシップをとる意志表示をしたことだと思います。

 

昨年の「北の恵み 食べマルシェ」 平成26年9月 
写真:北の恵み 食べマルシェ実行委員会提供

 
       
       
   
 

理事長:今、市長が最も力を入れていることは何ですか。
市長:観光の分野ですと、国や北海道は、インバウンド(訪日外国人旅行客)増加を強力に推進し、旭川市もプロモーション活動を行い成果は上っています。旭川空港の国際線乗降客数は平成26年度約16万人、旭川市内の外国人宿泊数は平成26年度86,000泊で、いずれも過去最高となり、平成32年の東京オリンピック後もインバウンドは増えると考え、旭川空港の機能強化に取り組みます。道内拠点空港が受け入れ態勢を整えると、旭川空港イン女満別空港アウトのオホーツク観光ルート、旭川空港イン帯広空港アウトの北海道ガーデン街道ルートといった、連携した集客が期待できます。6月末から旭川空港ターミナルビル社長に就任しましたので、迅速に体制を整え、合わせて「空の駅」構想を進めます。東神楽町とも連携し、北・北海道のさまざまな物産が集まる旭川空港を、道の駅のように、乗降客以外の人がたくさん来てくれる魅力ある空間にしていきます。

 
     
   
 

理事長:市長は、滝川市、恵庭市に続いて、今年度から石狩川流域圏会議の議長になりました。2年間ですが、石狩川流域市町村を引っぱっていくことになります。

 
 

市長:7月に行われた豪雨災害対策職員研修は、
「とても参考になった」と聞いていますし、「川のまち・あさひかわ」としても重要な取り組みです。また、流域圏会議の取り組みとして、石狩川上流地域のサイクリングマップをつくり、全流域が結ばれるように進めたいと思います。最近、台湾を中心に、旭川空港到着後、自転車で美瑛・富良野へ行く観光客が急増しており、層雲峡まで楽しんでもらうため、情報を広く提供します。また、流域圏会議では、今年から、相互防災支援体制の構築に取り組みます。一部の自治体の間では既に災害時の応援協定を結んでいますが、石狩川流域圏として、上流・中流・下流の広域にわたって助け合うことができる体制をつくりたいと思います。

 
 

理事長:財団としては、少しでも石狩川流域圏会議のお役に立ちたいと考えております。本日はお忙しいところ、ありがとうございました。

 
     
     
  平成27年8月13日
旭川市役所にて