空知管内の中央に位置し、かもい岳やペンケ山などの秀峰や自然に恵まれた歌志内市。石炭採掘によって拓かれたが、石炭産業の斜陽化とともに人口が減少、全国で人口が最も少ない「日本一小さな市」として知られるが、名品の産地でもある。
 世界のトップジョッキーの鞍を手掛ける、わが国唯一の馬具メーカー「ソメスサドル」。財布やカバンも全国ブランドになった宮内庁御用達メーカーは、1964年、歌志内市にて創業した。開拓に使われた農耕馬具づくりの技術をもとに、本格的な乗馬具の製作を続け、世界から高い評価を得るまでに至った。現在も本社が所在し、名を冠した「かもい岳ソメスサドル杯エンデュランス馬術大会」が毎年5月下旬に行われている。

 
     
 
     
   

 上歌地区に広がるワイン用ブドウ畑。ここは露頭炭採掘跡地で、土には今も石炭が混じるという。炭鉱会社がワイン用ブドウの試験栽培をはじめ、閉山とともに市が行い、現在、「歌志内太陽ファーム」が経営を引き継いだ。歌志内産ブドウのみでつくられた「うたしないワイン」は、バランスの良い酸味と心地良いのどごしが特徴だ。
 そして、「加藤樹石苑」の観賞石は、女性研磨師によるものであり、北海道の流紋岩やアンモナイト、神居古潭石も取り扱い、色とりどりな石の世界を堪能できる。
 人の手により丹精込めてつくられる品々は、アルプス・チロル地域によく似た歌志内市の風土に育まれ、味わいを一層深めるのだろう。

*参考資料:歌志内市役所「特産品の紹介」、ソメスサドル、歌志内太陽ファーム
*本文で紹介した製品は、道の駅「うたしないチロルの湯」に て販売しています。
 歌志内市字中村72番地2 Tel:0125-42-5566