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ご 挨 拶
 
     
     
 
石狩川振興財団 理事長
森田 康志
 
   
 

 6月に石狩川振興財団の理事長に就任いたしました。
 当財団は平成4年5月に公益法人として設立され、23年8月に一般財団法人に移行しましたが、設立以来一貫して、川への理解を深める活動や、流域連携、川を軸とした地域振興、川を活かしたまちづくりのための各種事業を進めてまいりました。特に、小中学生といった次の時代を担う世代を対象とする河川環境や水防災に関する学習活動には力を入れています。川の中に入って生き物観察する子供たちは、これまでにない体験に一様に驚いた表情を見せており、川での体験活動が子供たちの感性を刺激してくれることを期待しています。川を通した人づくりです。
 私は広島市の生まれで、小学校の夏休みは毎日のように市内を流れる太田川で魚釣りなどして遊んでいました。魚釣りの餌となるゴカイも、干潮の時に川に入り、砂地を掘って取っていました。太田川で泳げる時期もあったのですが(遊泳区域があり、監視員さんがいました)、経済成長が優先され、市民が川をゴミ捨て場代わりに使うような悲しい時期もありました。今は河岸が整備され、原爆ドーム周辺では川沿いにオープンカフェが開設されて、市民や観光客の賑わいの場になっています。それに比べると、札幌市内を流れる豊平川、旭川市内を流れる石狩川、忠別川では、それほど多くの市民や子供たちの姿を見かけないように思います。魚釣りを楽しむ人たちも少ないのではないでしょうか。せっかくいい川があるのに、なんだかもったいない気がしますが、お父さん、お母さん世代が、川で遊んだ経験に乏しいので、子供たちを川で遊ばせる機会が少ないということなのかな、と思います。
 足を入れたくなるようなきれいな水が流れ、魚釣りが楽しめる(生き物が豊富ということです)ような川づくり、そうした川を活かしたまちづくり、そして川を通した人づくり。川づくり、まちづくり、人づくりという3つの「つくり」を、石狩川振興財団は進めていきたいと思っています。