姉妹都市の住民が集結

平成22年10月、開基140年をむかえた当別町は、「未来につなげよう、先人たちの想い」をテーマに記念事業を実施した。そのなかで、3つの姉妹都市の住民550人が、阿蘇公園から役場までを練り歩く、「姉妹都市パレード」が盛大に繰り広げられた。
姉妹都市の一つは、住宅街「スウェーデンヒルズ」の建設を機に友好を深めるスウェーデンレクサンド市、そして歴史絵巻さながらの武者行列は宮城県大崎市、地域に伝わる巨大な「牛鬼」を出現させた愛媛県宇和島市の二つの姉妹都市とは、独眼竜の異名を持つ隻眼の名将・伊達政宗の仙台藩が深く関わっている。

 
 
大崎市の伊達武者行列(提供:当別町)
 
 
民族衣装のレクサンド市(提供:当別町)
 
 


宇和島市の祭りのシンボル牛鬼
(提供:当別町)
 

パレードは総勢3,500人に上った
(提供:当別町
 
 
 

誇り高き侍の志が息づく

合併で大崎市になった旧岩出山町は、政宗が仙台へ移る前の12年間を過ごし、政宗の四男・宗泰が興した岩出山伊達家の本拠だった。
しかし仙台藩が戊辰戦争に敗れたことから、支藩の岩出山伊達家は減封、家臣は士分をはく奪される。第十代当主・伊達邦直は私財を処分して資金をつくり、家臣と北海道への団体移住を決断する。こうして士族開拓の模範といわれた、当別町の基礎が築かれた。
当別町出身の作家・本庄陸男の「石狩川」に開拓の労苦が描かれ、石狩川沿いには文学碑「石狩川」がある。陸男の命日には献花式が行われるなど、先人の偉業を称え伝える活動はあたり前のように行われるほど、町の歴史は町の誇りだ。
また宇和島市は、政宗の長男・秀宗が興した宇和島伊達家の本拠だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

想いよ被災地に届け!

パレードから半年も経たぬうちに東日本大震災が発生。大崎市は建物全壊が553棟、大規模半壊は205棟という大きな被害を受けた(H23.9.26現在)。
当別町では、各町内会や商工会、農協と観光協会を中心に大崎市の復興支援委員会を立ち上げ、町内9箇所に募金箱を設置したほか、各種の募金運動や小学校からのメッセージフラッグなど、町民自らが企画した支援活動が広がった。
レクサンド市からも大崎市へ見舞いのメッセージが届けられた。昨年の姉妹都市パレードが結んだ縁だ。
当別町が大切に育んできた友好の絆が、国境を越えた。

 

 

姉妹都市への多彩な支援が広がった(提供:当別町)

 

 

 

         
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