今年も「市町村河川情報委員 情報交換会議」が、11月22日(火)に札幌で行われました。
 石狩川治水等をテーマにした専門家による講演と石狩川流域市町村の情報発表は、いつもタイムリーかつ多彩な内容で、川づくりとまちづくりのヒントになるものばかりです。
 その中から、3つの市町の情報発表の内容を簡潔に紹介します。

 
     
   
     
 

 市街中心部を流れる漁川の河川事業は、まちづくりとともに進められた。大動脈・国道36号と漁川が交差する地点に建設された道と川の駅 『花ロードえにわ』は、関係機関連携のもと実現した、花と緑、そして水辺という、恵庭を象徴する憩い空間だ。施設から漁川までにはウォーターガーデンを恵庭市が、河川敷の水辺プラザは北海道開発局が整備し、バリアフリーで誰もがスムーズに移動が可能だ。多自然型工法による漁川の整備により床止の魚道が改良され、遡上するサケから生命の大切さを学ぶことができる。
 千歳川流域でも、植樹会や河川清掃等が連携のもと行われている。現在千歳川流域6市町には、治水対策のための千歳川遊水地群が推進されており、サイクルネット構想や防災連携など、連携の経験を活かし、普段の利活用についても検討が進められている。

 
 
 

『花ロードえにわ』にあるウォーターガーデン。

 

整備されたスロープと漁川、水辺の楽校が行わ
れている。

 
 

 新十津川町民が母村と呼ぶ、奈良県十津川村。明治22年の大水害で2,600人が新十津川町に集団移住してこの地を拓いたことが、町名の由来だ。
 そして平成23年9月、豪雨がまたも母村を襲った。家が流され、多くの道路で路肩が崩壊し、尊い犠牲者も出るなど大変な被害に上った。さらに、土砂が崩落して川をせき止める河道閉塞(土砂ダム)が4ヵ所発生し、予断を許さぬ状況が続いた。この母村の危機に新十津川町はいち早く動いた。町内で義援金を広く募り、5,000万円の見舞金を送った。
 さらに3人の職員が9月18日から2カ月間、被災地に派遣され、施設の復旧や手薄になった業務にあたるなど共に汗を流した。大変な災害だったが、隣同士の関係も希薄な現代社会にあって、開拓以来歴史を語り継ぎ、交流が絶えない両町村の絆の深さには感銘を受ける。

 
 

被災者の不安を取り除く、早急な情報提供の必要性を実感。

 

 石狩川流域にある市町村が、流域の豊かな環境や資源を活かした活性化に関する施策や様々な課題について、流域の視点を持ち協働で検討し、関係機関への提案や取り組み等を行い、流域の総合的な発展に資することを目的として、「石狩川流域圏会議」が11月28日に設立される。
 具体的な取り組みとしては、「1 河川整備・災害対応」「2 利水・環境」「3 農業・観光など流域の活性化策」等に関することが予定されている。

 
 

 

     
 

詳しくは、石狩川流域圏会議ホームページをご覧ください。 http://ishikarigawa.net/

 
     
   
 
※講演等、情報交換会議の概要は当財団ホームページに掲載していますので、こちらも合わせてご覧ください。
http://ishikari.or.jp/event/2011/jyouhoukoukan.html