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デンマークの公共交通機関について、コペンハーゲンがあるシェラン島を例にあげると、フィンガープランの指に沿って伸びた近郊電車を含むデンマーク国鉄(DSB)、地下鉄2路線及びバス網がはりめぐらされている。
また、ゾーン制が導入されており、例えば、市内を概ねカバーする2ゾーンのチケットを購入すれば、1時間以内で当該ゾーンの公共交通機関が乗り放題となっているため、効率的に公共交通機関を組合わせて移動することが可能となっている。都市中心部と近郊とのスマートな連結、市内の効率的な公共交通機関の利用を可能とするゾーン制の導入が、デンマーク人の豊かな暮らしの下支えをしてるとも言えるのである。
さらに、デンマークにおいて最も特徴的な交通手段と言えるのは自転車であろう。実に1/3のコペンハーゲナーが通勤・通学に自転車を使っているのである。中〜長距離をカバーする公共交通機関に、短〜中距離をカバーする自転車を組合わせたデンマーク交通のモビリティは非常に高く、今後、さらなる自転車道の整備や自転車と公共交通機関のリンケージの強化が進められるものと思われる。 |
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コペンハーゲンがあるシェラン島の公共交通機関(バスを除く) |
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自転車専用道の整備プラン(計画中も含む)
(出典:コペンハーゲン市提供資料) |
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(1)自転車による移動
車道の両側には自転車道が整備され、駐車及び歩行者の通行が禁止されている他、冬季でも真っ先に除雪されている等、ハード面・制度面の両面で自転車利用をサポートする環境が見事に整っている。 |
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(2)公共交通機関と自転車のリンケージ
既に、デンマークでは、日本と違って鉄道の車両に自転車をそのまま持ち込むことが当たり前のこととなっており、また、そのための数々の工夫を様々な場面で見ることができる。例えば、デンマーク国鉄(DSB)の車両には、自転車用の車両があり、自由に自転車を車内に持ち込める。
また、ほぼ全ての駅にエレベーターが設置されており、身障者やベビーカー、高齢者のみならず、自転車を楽に移動させることが可能となっている。さらに、駅に改札が無いことも、こうした優れたアクセシビリティを支えている大きな要因と言える。ちなみに、検札は、鉄道係員が巡回して切符をチェックし、切符を持っていなければ罰金を支払う仕組みになっている。
もう一つ、忘れてはならないのが自動車交通、道路整備と言えよう。国土が平坦でかつ小規模で、国内移動が数百q圏内に収まること、冬季の積雪量が少ないこと等の理由から国内における輸送機関別旅客輸送量のほぼ8割を自動車が占めている。
ユーザーサイドから見れば、国道や県道といった行政区分を意識することなく、また高速道路が無料で利用できる点が非常にありがたい。例えば、郊外からコペンハーゲンの自宅に戻ろうとする際、道路の標識を見ていれば、自然に高速道路に導かれ、帰路に着けるといった感覚なのである。 |
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高速道路の入口。
一般道から自由にアクセスできる。 |
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ローゼンボー公園脇の道路。一方通行の道路。自転車道と左折レーン、駐車エリアが確保されている。
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アンデルセン童話の国、デンマークは美しい国といわれるが、その理由は大きく分けて2つあるのではないかと考えている。一つ目は、古い町並みが非常に良く保存されていること、二つ目は、特に郊外であるが、森や湖といった美しい自然が残されており、牧歌的な田園風景とマッチして非常に素晴らしい景観が保全されていることにある。 |
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