《炭鉱都市としての発展と脱却》

 
 

 夕張市は、開拓期に夕張川支川上流に炭鉱が発見されたことで、その歴史がはじまります。炭鉱都市は活気に満ち溢れ、最盛期は人口12万人を誇りました。しかし、石炭産業の衰退とともに人口は減少し、市は石炭に代わる産業として、観光都市への一大変革を図ります。実際の坑道と石炭層を活かした国内最大級の炭鉱テーマパーク(現・石炭博物館)とスキーリゾート等の大規模開発を進め、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭をはじめ多彩なイベント展開で、脱炭鉱に成功した街として一時は全国的に注目されました。しかし、大胆な変革は、市の財政をむしばみ、2007年3月には財政再建団体に指定されました。現在、夕張市は一丸となって財政再建に取り組んでいます。

 
 
 
   
 

《市街地再編とダムの活用》

 
 

 夕張市への支援の輪も広がりました。桜の名所を目指す「しあわせのさくら」夕張プロジェクトは、2010年には国内第2位の本数を誇るまでに。一時中止された映画祭も、有志等による手づくりの映画祭として平成20年から開催、今回は復活後8年間で最大の14,368人を動員しました。山間地の恵まれぬ環境を克服して育んだ夕張メロン等、痛みに堪えて明日を拓いてきた住民パワーは今も継がれています。

 
 

 夕張市は、平成27年1月、市街地を再編する都市機能のコンパクト化と、炭層メタンガスの資源への活用が、国の「地域再生計画」に認定されました。大きなチャレンジに一歩を踏み出した夕張市。魚類や鳥類が多く棲み自然体験学習も盛んな夕張川と、新たにできた夕張シューパロダムが、夕張市の魅力の一つとして活用されるよう期待します。

 
   

*資料元/夕張市ウェブサイト、「しあわせのさくら」夕張プロジェクト、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭