石狩川流域の河川環境を誇り大切にし、住民主体のもと企業・行政等と連携して、地域の資源を活かした地域づくりを目指す「まちづくり・川づくり協議会」を平成15年に設立、平成23年に「NPOまち・川づくりサポートセンター」として新たなスタートを切った。
 5月、活動の第一弾として、滝川市に残る石狩川の旧川・ラウネ川の河畔林再生を目指す、「石狩川再生の森植樹祭」と「石狩川クリーンアップ作戦」が行われた。また、川のレスキューのスキルを身に付ける自然体験活動の指導者も養成する(RAC・CONEリーダー講習会−7月、1月)。この中には独自のプログラム「石狩川リバーインテリジェント認定制度」が取り入れられている。石狩川流域の住民が主体的に行う活動をコーディネートする人材の育成を目的に、河川の基礎的な知識から、流域と地域の歴史、自然環境等を学ぶ講習と、水辺の実践研修という両面から構成されているのが特徴だ。これまで多くの人材を育成し、地域づくりは人づくりでもあることを広く発信している。

 
   
 

普通救命講習の様子。

 

前田滝川市長(左)も参加した植樹祭。

 
     
 
 

 大正時代の捷水路工事で残された旧美唄川。岩見沢市北村の「山のない北村の輝き」は、旧美唄川を拠点として、適正な河川利用と環境の保全、農業の活性化などに地域住民の声を反映させた、よりよい「まちづくり」を目的に平成14年設立された。川を「五感」で感じるための調査や、北海道ならではの雪中植林、炭を使った水質浄化実験等、一年を通した河川環境保護事業の取り組みはすでに地域に根付いている。
 その一つ、「旧美唄川雪中植林&雪中河川体験ツアー」が2月に行われた。全国的に知られた、記録的豪雪の真っ只中だったものの約100人の参加を得た。水中にも雪中にも植えられる「カミネッコン」という再生ダンボールを使った紙ポットを組み立て、幌達布地区に植樹。この段ボールは根付くまで木を守り、時の経過と共に分解され土へ還る。その後、一面銀世界の河川空間に飛び出して、スノーモービルと雪の滑り台で子どもも大人も冬遊びを満喫した。地域の子ども達が誇るような村にしようという情熱が、活動の原動力でもある。

 


幾春別川新水路近くの北村防災ステーション周辺に植林。


山のない北村に巨大な雪山登場!

 
 

湖岸の緑化のため植栽されたサリカ

 
 

毎年、こんなにゴミが棄てられている。

   
   

 恵庭市内を流れる千歳川の支川・漁川。上流にある漁川ダムは、恵庭市はじめ千歳川流域4市の大切な水がめでもあるため、漁川は流域の母なる川ともいえる。7月、漁川ダムのダム湖・えにわ湖で慈しみフェスタが行われた。安全で安心な水を自分達の手で守るという意識を持ち、かけがえのない水を次世代へ継承しようと、上流の恵庭市民が中心になって実行委員会を発足、流域のまちと連携して平成12年から継続開催している。漁川への「ありがとう」という思いを行動に表したもので、かつ、自然環境を考える機会にする狙いも持つ。
 総勢239名が参加したフェスタは、ダム湖岸の緑化とダム上流域の清掃という、2つの活動が大きな柱だ。カミネッコンによるサリカ(エゾミソハギ)植栽は、ダム湖岸の地盤露出(裸地化)の対策としてつづけられ、すでに夏になると湖畔をピンクで彩り、知る人ぞ知る名所に。しかし周辺へのゴミの不法投棄は後を絶たず、数の多さに参加者は一様に驚く。それを自分達がきれいにしたことで愛着が生まれ、また次につながっている。




 
       
 
 

 札幌市内の住宅街を流れる豊平川支川の精進川。「精進川美化緑化の会」は、精進川など地域の自然環境をより身近に、素晴らしいものとして育むため、地域の人々と協力して植栽活動を中心に進めることを目的に、平成20年に設立された。
 8月、30度を超える真夏日に初めて開催された「身近な精進川の生物を学ぶ会」に、地域の小学校と町内会から約27名が参加した。午前は精進河畔公園や精進川放水路を見学。ここは、北海道が河畔林を活かしながらふるさとの川づくり事業として整備し、土木学会デザイン賞2007優秀賞を受賞した都会のオアシスだ。午後は五輪通の澄川橋下で、水質と水生生物を調査した。今回、地域を流れる精進川を体験し、川の水は意外なほど清み、ギンブナやドジョウ等がしっかりとそこに棲息しているなど、発見がいっぱいだった。調査の結果から、精進川は自然体験学習に期待が持てる環境にある事もわかった。この第一歩が、どのように広がり次につながっていくのか、大都市の河川活用例としても今後に期待したい。

 
   
 

川の水に触れ生き物を追う。時間を忘れた楽しい一日。

 

こんな住宅街に滝がある(精進河畔公園)

 
     
   
 
  石狩川振興財団まで  http://ishikari.or.jp/
 
 
 

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