千歳川流域は、新千歳空港や主要幹線道路が通る道央きっての交通の要衝だ。
また流域は優良な農業地帯であり、札幌のベッドタウン、大型ショッピングモール、臨空型工業地帯など多彩な顔を持ち、石狩川流域のなかでも発展が著しい流域のひとつ。
しかし、低平地の中下流域はほぼ2年に1回は洪水に見舞われる洪水常襲地帯で、石狩川水系のなかで治水対策が比較的遅れていた流域でもある―
 
 
 
 
千歳川流域の中下流域にはお盆のような低平地が広がり、洪水時には石狩川の水位が高くなり、その影響を受けて、千歳川が長時間長い区間にわたって水位が高く流れにくい状態になって、内水氾濫を起こしやすい。
千歳川流域の治水対策は石狩川の高い水位の影響を、「河道の堀削」「堤防の整備」、そして流域4市2町の千歳川本支川の地先に「遊水地」を分散して整備する、総合治水で対応する。遊水地を流域の市町にそれぞれ整備するのは、わが国でもめずらしい壮大な試みだ


 

昭和56年8月上旬洪水での北広島市本通共栄付近の浸水状況
 
 
 
遊水地は、洪水の最大流量を減少させる事を目的に、洪水を一時的に貯め込む治水施設で、平野の川沿いにつくられる。
大雨が降ると洪水は上流側の越流堤から遊水地へ流れ込み、下流に流れる水量を調節して氾濫の危険を少なくする。貯めた水は安全な状態になってから、排水門から少しずつ下流に流すというしくみ。 いわば洪水を自由に遊ばせて地域を守る、自然の状態に近いこれからの治水の切り札だ。
 

 
※札幌開発建設部の資料より
 
 
 
 
   
 

千歳川遊水地群の整備は、平成20年度から用地取得等が進められ、長沼町嶮淵右岸地区では、遊水地の掘削や周囲堤の盛土工事まで進んでいる。

 
 

《千歳川遊水地群の概要》
6遊水地の総面積:約1,150ha  
6遊水地の洪水調節容量:概ね5千万(札幌ドーム約32個分)

 
  《千歳川遊水地群の位置》
 
 

千歳川遊水地群の整備状況 

     
     
 
   
     
 
   
     
 
   
     
 
   
 

   
 

※進捗状況−平成23年6月現在、工事状況−平成23年9月下旬撮影
※遊水地の空撮写真は札幌開発建設部の公式ホームページに公開された資料より

         
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